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 鈴木三吉商店


2013.9.9


忘れ難い味。
熊本で以前食べた春雨スープ。大平燕(たいぴーえん)は、熊本の名物と言って良い。店によって少しずつアレンジがされ豚骨スープの些かこってり風等もある。しかし、やはりベーシックなチキンスープが一番。
具材に、たけのこ、キャベツ、にんじん、ネギ、きくらげ、しょうが等の野菜がたっぷり入り、豚肉にうずらの卵も入って、スープと云えども食べ応え充分な一品になっている。
到来物で自宅にストックしていた物が、賞味期限もギリギリ(勿体なくて食べずに取ってあった)になり、良しッ! 今日の夕飯は、と云う具合に。
春雨をお湯でもどして、具材のレトルトパックを鍋に放り込んで温める。調理時間にしてたったの3分で忘れ難い熊本の味の出来上がり。パッケージの箱のゆるキャラのクマもんが笑ってる。あッ! 、ホンのひと垂らしの胡麻油が決めてだな。クマもんも納得。

 




2013.1.29


最近評価になったと在る鰻屋。
鰻屋は、ある意味蕎麦屋と似た世界があって、メインの鰻や蕎麦の前にお酒をちょいとやりながら待つと云う粋と言われる感覚がある。特に鰻となると40~50分程待たされるのが普通。さばきから始まり、蒸して焼くってな具合の手間を考えたら鰻屋は待ってなんぼの世界。逆に言ってしまえば、待たない鰻屋はどうだろう?ってな事に。
さて、この鰻屋さん。行列覚悟で立ち寄った。受付で予め注文を取ってくれるお陰でその待ち時間は短縮(自分が呼ばれて鰻が運ばれるまで)されるのが少しアリガタイ。そんなアリガタイ状況になってもサイドメニューが豊富。しかも旬を楽しんで欲しいと用意された料理の中に『猪と葱の炒め物』が。軽いウスターソースで炒められた葱と猪にサッと山椒とレモン。なんと爽やかな猪。猪は、直ぐ獣臭いと言われるけれど、逆にこんなに上品な脂と香りがあるのだと思う程だ。
せっかくの鰻屋での話しなのに、サイドメニューの猪の話しで些か申し訳ない。勿論、鰻も絶品。言うことなしッ! 。

 




2012.7.9


やはりソウル・フード。
旭川。今回は3日間の異なる形でのライヴ3連チャン。印象的だったプラネタリウムでの企画が真ん中に入りホントに毎日が違うプログラム。さて、最終日のライヴ終了後に『いつもは、別の打ち上げ会場(店)だからたまには』と、ライヴ会場のアーリータイムスさんでの食事。ご覧のとおりのジンギスカンです。我々は、ジンギスカンって云うと焼肉屋とかホルモンのお店でってイメージ。しかし、地元の方は口々に『それ、観光客の話で、自分達は店にわざわざ行かない。』って。どうりで、『美味しい店何処?』と聞いても『さぁ?』みたいな気のない回答。
で、このジンギスカン。地元では自宅やたまに野外で仲間とバーベキュー的に、が普通なんですね。聞くと、ジンギスカン用のお鍋?を各家庭で大体は持ってるとの事。大阪のたこ焼きの鉄板が家庭に普通にあるのと同じか?な。
そんなこんなで、羊の肉や野菜を大量にアーリータイムスの野沢さんが買って来て下さった。これぞ、本物。これが本格的なジンギスカン。美味しく頂き夜がふけて行きます。大好きな仲間と音楽と共に。

 




2012.6.20


京都の名物は幾つも上げてたらキリがない程。
そんな中で年中通して通いつめるのは、萬屋さん。
必ずお願いするのは、九条葱を山盛り使ったおうどん。京都と云うと豆腐も美味しいのでも有名であるが、その豆腐屋で売られている薄揚がまた絶品。軽く炙って、鰹節をふりかけて醤油をひと垂らし…この旨さッ。これも捨てがたいが、九条葱と薄揚を葛でひいたうどんがまた最高。
冬の寒さの中、祇園まで出掛けて行くのも良い。夏は夏で汗を滴れさせながら熱々を頂くのも最高なのだ。これから祇園祭で賑やかな京都。最近は、雑誌に取り上げられてお昼には並ぶ事を覚悟しての九条葱と揚のうどん。永く地元の方に愛されて来た味も今は観光客の人気の的である。

 




2012.5.22


ルーツは静岡か?。
帯広にやって来た。旅が続くと食べ物に心配が少しずつ出てくる。やはり、野菜をとらなきゃな…とか。年齢の事を考えると好きな物ばかりを食べてちゃイカンかな、とか。
しかし、お国の物を食べたい…とも思うわけで、吸い寄せられる様に『豚丼』に。今では、十勝牛もブランドになり、食は多様化しているけど、元々地元では「牛は牛乳、馬は馬力、豚は食用」とされてきたと言う。開拓の為にやって来た静岡は松崎の出身者が、うなぎの蒲焼きをイメージし、昭和初期の時代に洋食のコックと試行錯誤の末完成させた『豚丼』。今では、確実にソウルフードに。
以前、食べに行った店のは、真っ黒なタレの見た目もビックリの異端児的な豚丼だった。店によってキャラクターも違い、勿論味も皆違う。地元の方々も贔屓の店が十人十色的な豚丼である。此こそがソウルフード。各家庭のカレーライスが違い、ラーメンも子供の頃から食べてきた近所のラーメン店の味が基本。いつまでも追いかけて行く味覚。三つ子魂百までも。それと同じように帯広の豚丼は存在する。
それにしても、帯広駅の構内で、こんなにも美味しいなんてホントにアリガタイ。しかも、ファストフードの様に気軽に。嗚呼、次もきっと吸い寄せられる様に、気付いたら『豚丼』だろうなぁ。

 




2012.4.17


個人的桜鑑賞。2年前の冬に友人から頂いた桜の鉢植えが元気に今年も花を付けた。どうしてだろうか?巷では桜は風に舞い、青葉が出て葉桜になってる時期なのに、この頂いた鉢植えの桜は満開。
今まで、どんなに荒れた土地であってもすくすくと育つサボテンですらも枯れてしまう、枯らしてしまうほどに植物を手入れをするのも出来ない自分だったのに、最近の鉢植えは良く出来てるのか?、ちゃんと生き延びて花まで付けてくれる。しかも、気持ちに和らぎも与えて貰った。
この鉢植えも、植え替えをしたりと些かこの先には面倒もある訳だが、毎年花を付けてくれると思うと愛しい気持ちがわいてくる。と、同時に贈ってくれた友人も思い出す。とても素敵な頂きものですね。花を見て、友人をも思う。心がいっぱいになりました。
アリガトウ。

 




2012.4.11


和菓子にとって目白押しな季節がやって来た。桜が満開になり、桜餅の時期であるのは周知の事。近所の昔ながらの和菓子の店でも勿論、メインは桜餅であるが、しかし…。
お彼岸には、おはぎ。そして、これからのメインは柏餅。その両者スーパースターが今の時期に、何故かいっぺんに楽しめる(桜餅さんゴメン)店である。
田舎で育った自分にとって、この柏餅とおはぎ(実家では、ぼた餅と呼んでた)は、家庭でも作る和菓子でもあったので、どこか野暮ったい感じがたまらない魅力になっている和菓子だ。三つ子の魂100までもじゃないけれど、人は慣れ親しんだ物に愛着があり、それを追い求めてしまう傾向にある。自分にとっての柏餅餅とおはぎが正にそれ。高級な和菓子店のお上品なあんこや餅じゃ些か困る。素朴な餅や手作り感が満載のあんこの柏餅&おはぎにに限る。しかも、今の時期に過ぎてしまったお彼岸と、これから来るお節句の菓子が同時に店頭に並ぶのがなんとも嬉しく素敵だと思う。
春を告げるお彼岸、夏を予感させる端午の節句。これを同時に味わう事が出来る。そんな我が家の近所の素敵な和菓子店なのです。
※ご近所の小さな店なのであえて店名や何処そこの記載を控えます、悪しからず。

 




2011.2.14


ソウルフードよ永遠なれ。
全国各地を廻って旅を繰り返してると、土地の味と云うものに出会うことがよくある。日本は、海に囲まれているので、各地で『美味しいもの連れて行きますよ』と案内されるのは、ほとんどが海産物を扱う立派な店舗だ。
ただ、自分はいつもそういったものを食べたいわけでもなく、何せずっと旅を続けてる時には毎日が魚になってしまう。よほどの魚好きなら良いだろうが、実は自分はそこまで魚が好きと云うタイプじゃない。
帯広に滞在中に、よく地元の連中が『インディアン』と口にしていた。カレーの店だ。空港に向かう時に、バスの窓からお店を見た事があったので、今回は出掛けて行った。シンプルなインディアンってメニューから始まり、カツカレー、チキン、チーズ、ハンバーグとメニューがあったが、野菜カレーをお願いした。大振りのじゃがいもがゴロゴロと入ったカレー。昔の洋食屋のカレーのようで懐かしさがあった。あんなに地元民が口を揃えて『インディアン』と言ってるのは、やはりソウルフードなのだ。
旅の途中、そんな味を楽しむのは最高の贅沢だ。いくつ星が付いたなんて云うレストラン等は、全く別物の話し。やはり、地元には地元の味である。

 




2010.12.19


近頃は、ホントに旅が多く、東京に住まいを持ちながら殆どを各地のホテルで過ごし列車を乗り継ぐ(車で出掛ける事も多々であるが)生活をしている。
そんな生活を続けていると東京に居る時には、不自由を感じた事が殆どない事、『ちょいと珈琲をやる』なんて事もおぼつかない事がある。
そこで、大変に助かるのが、ファストフード店だ。何処に行ってもちょっとした商店が立ち並ぶエリアや駅近くには大概存在する。しかも、最近のこうした店舗展開のトコの珈琲がばかにならない程に美味い。しかも、190円と云う値段でまたビックリ!。 更に、この全国展開(全世界フランチャイズの)の店舗では、その時々に厳選したプレミアムな珈琲を無料で試飲も実施し販売促進に繋げてる。
これじゃ、町から珈琲店が消えてく訳である。しかし、経営努力と味の追求って事で言うなら、淘汰と云うのだろうか?。いや、『珈琲をやる』というのは、味はもとより空気感や居心地、寛げる…と云う事の三位一体的なトコが多く、そこに重きを置く古くからの喫茶室は脈々と今も健在である。そう考えると、選択肢の問題と言うところになるのだろう。ホントに何でもある恵まれた世の中に暮らしてるもんだと思う。幸せか?不幸か?は、さて置く。

 




2010.11.15


世の中には、知らず知らずの間に廃れて無くなる物が多い。大変に残念極まりないのだが、それが事実だから仕方ないし、無念でもある。
高知は四万十川の上流には、青藍と云う清流だけに生息する高級な河のりがあるのだが、水温が切れる程に冷たく痛い程の場所に生息する事と、採られる方々がお年寄りだと聞く。よって、今ではほとんど市場に出る事のない幻の河のりだと言う。このまま廃れて無くなる物になるんだろう…と、地元の料理屋の主人も言う。
さて、その四万十川の下流。河口付近には、青さと云う河海苔もあり、こちらはまだまだ手に入る。しかも美味い。軽く味付けされた出汁に青さを放り込みホンのひと煮立ち、熱々のご飯にサッとかけて山葵をチョンと真ん中に置く。このシンプルな料理に圧倒される。地元の方は青藍が無くなる事に寂しさを感じると言う、勿論無くなって欲しくない物だが、この青さ海苔も『いやいや、どうして』素晴らしい郷土の味だ。

 




2010.11.1


山陰は浜田。浜田の町は漁業で栄えた日本海の静かな町だ。こちらで水揚げされるノドグロと云う魚は、白身のトロと言われる程に脂ののったトロリとした絶品である事でも有名である。しかし、今回出会ったのは、芙蓉ポークを使って鉄板で焼き上げるポークのステーキ。たまたま宿泊のホテルの目の前、『ケンボロー』と云う豚料理が中心の洋食屋。豚はこれくらい厚みを持たせて焼くに限る。店主の主張が聞こえてくるような見事な出来栄えに、ゴクリと喉がなってしまった。パクリとひと切れをワサビを乗っけて醤油をちょこっとつけて口に頬張る。『美味いなぁ』と思わず独り言。こんな美味しい料理がある浜田の方々が羨ましい。近場に住んでいようものなら、週に一度は足を運ぶだろう。日本全国にまだまだこんな素敵な店がある。旅を続けるエネルギーになる。素晴らしい。

 



   
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